2013年4月30日火曜日

読売新聞:元教授の14論文に捏造・改ざん…京都府医大

2013年4月12日 読売新聞:元教授の14論文に捏造・改ざん…京都府医大

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20130412-OYT8T00891.htm?from=popin
http://megalodon.jp/2013-0608-0908-59/www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20130412-OYT8T00891.htm?from=popin


調査結果を説明する京都府立医大の木下副学長(左)(11日午後、京都市上京区で)
 京都府立医大(京都市)は11日、2月末に辞職した松原弘明・元教授(56)(循環器内科学)が関与した論文計14本で52件のデータの捏造(ねつぞう)や改ざんがあったと発表した。
 松原元教授らが2004年に実施した臨床研究で、学内の倫理委員会に提出した論文も含まれており、同大学は「研究者としての倫理観が欠如している」と批判した。今後、懲戒相当として退職金の返還を求めるべきかどうかなどを審査する方針。
 同大学によると、11年6月頃からインターネット上の書き込みなどで不正の指摘があり、同年12月に調査委員会(委員長=木下茂副学長)を設置。松原元教授が03年まで在籍した関西医大時代も含め、1999~2011年に発表した計18本を調査した。
 論文は、特定の細胞を増やす作用があるとされる幹細胞の注入で、動物の血管が増えるかどうかなどを調べたという内容。この日公表された報告書によると、01~11年の14本で、細胞などの画像の一部を切り取って別の画像としたり、グラフの折れ線を上下反転させて別の論文で使い回したりしていた。松原元教授がデータの基になる実験ノートなどを調査委に提出せず、明確に反証しなかったことから、「捏造や改ざんが行われた」と結論付けた。
 松原元教授が直接捏造に関わったり、指示したりしたのかという点は確認できなかったが、14本すべてに関与しているのは松原元教授だけであり、「松原氏の研究室の指導監督体制に本質的な欠陥があり、責任は極めて重い」と指摘した。
 04年に松原元教授らが急性心筋梗塞の男性患者に行った血管再生の臨床研究については、03年に倫理委員会が研究計画を審査した際、松原元教授らが02年に発表した論文も参考資料となった。幹細胞の注入により、心筋梗塞のブタの心臓で血管が増えたという内容だったが、報告書は、血管本数が実際よりも多いように画像が改ざんされていた、と認定した。
 ただし、倫理委審査では、人間に対して類似の治療を行った海外の研究例も参照しており、安全性の確認に問題はなかったとした。
 この日、記者会見した木下副学長は「不正を見抜けなかったことは遺憾。今後こうした不正が起こらないようにしたい」と話した。
 松原元教授の代理人の弁護士も京都市内で記者会見し、「松原元教授は改ざん、捏造をしていないし指示もしていない。事実認定の手法はずさんで、適正な調査とはいえない」と反論した。
(2013年4月12日  読売新聞)

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