2013年4月30日火曜日

日刊薬業: ノバルティス データのねつ造「判明していない」

日刊薬業: ノバルティス データのねつ造「判明していない」

( 2013年5月23日 )

 ノバルティス ファーマは22日、ARB「ディオバン」(一般名=バルサルタン)に関する医師主導臨床試験の論文が国内外の学会誌から撤回された問題で、現時点での社内調査の結果をまとめた報告書を日本医学会、日本循環器学会、日本高血圧学会に提出した。同社は学術などを担当していた元社員が同剤に関する5つの医師主導臨床試験に関与していたことを認め、その上で、会社ぐるみの関与は否定。論文のデータをねつ造していた可能性については、「判明していない」と説明している。

 京都府立医科大の試験「KYOTO HEART Study」などの論文で「大阪市立大」の肩書で名を連ねていた元社員は、その後、定年を迎えて契約社員となっていたが、今月退社した。

 同社によると、元社員は京都府立医大のほか、東京慈恵会医科大、千葉大、名古屋大、滋賀医科大で実施された試験に関与していた。元社員の当時の部下(すでに退社)も、5つのうちの1つの研究に関係していた。当時の上司の中には、元社員が試験に関与していることを把握していた人間もいたが、同社は「元社員を関与させるという明確な戦略が当時当社にあったとは特定できていない」とし、会社ぐるみでの関与は否定している。

 三谷宏幸社長(当時、現最高顧問)は2月の記者会見で、京都府立医大の試験は医師主導のため社としてデータ解析などに直接関与はできなかったと説明していたが、この見解については正式に撤回した。

 同社は、元社員が5つの研究のうち複数の研究でデータ解析に関与したことを認めた上で、各試験への関与の度合いはそれぞれで異なると説明。「これまでの調査で意図的なデータの操作や改ざんに導いたことを示すものは判明していない」としており、データ改ざんは現時点では確認できていないとの認識を示している。

●研究者の論文検証には協力

 同社によると、各試験の基となるデータは元社員も含めて所有しておらず、論文内容を検証するためのデータの再解析は行うことができないという。「研究者や研究機関が、適切な方法でそれぞれの研究結果を検証する際には、当社はできる限り協力する」と表明している。

http://nk.jiho.jp/servlet/nk/kigyo/article/1226573426225.html

 同社は22日深夜、自社のホームページ上でこの問題に関する見解を更新した。

 日本医学会は24日に利益相反委員会を開く予定で、同社の報告書を受けて、ディオバン論文問題について話し合うとみられる。

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