2013年4月30日火曜日

一般社団法人日本循環器学会(代表理事 永井良三):Kyoto Heart Study のデータ操作について(pdf)

Kyoto Heart Study のデータ操作について(pdf) 一般社団法人日本循環器学会 2013 年 7 月 12 日 代表理事 永井良三
http://www.j-circ.or.jp/topics/files/20130712_JCS.pdf
http://megalodon.jp/2013-0723-0449-08/www.j-circ.or.jp/topics/files/20130712_JCS.pdf

2013 年7 月12 日
Kyoto Heart Study のデータ操作について
一般社団法人日本循環器学会
代表理事永井良三
理事・編集委員長下川宏明
理事・医療倫理委員長代田浩之
7 月11 日、京都府立医科大学(以下、当該大学)より、Kyoto Heart Study(以下、本研究)の
データが操作されていたとする報告がおこなわれた。恣意的に操作されていたとすれば、臨床研
究の信頼性を揺るがす事態であり、日本循環器学会(以下、本学会)はこの事態を深く憂慮せざ
るをえない。当該大学およびノバルティスファーマ社(以下、ノバルティス社)は、本件の背景
と経緯をより詳細に検証し、再発防止策を早急に実施されるよう望むものである。
本件は、昨年10 月初旬に複数の本学会員から、本学会誌Circulation Journal のオンライン版に
掲載されていた本研究サブ解析論文中の血清電解質値に関して、編集長に疑義が表明されたこと
に端を発する。直ちに本学会編集事務局は、当該論文の責任著者に回答を求めた。回答を期して
いた11 月初旬に至り、再び複数の本学会員から編集長宛に、本研究の主論文とサブ解析5論文、
計6 論文のデータに関する疑義が提出された。
12 月中旬に、著者らは6論文すべてのデータについて、数値の位取りや解析法に誤りのあるこ
とを指摘する第三者機関の調査結果を本学会に送付してきた。本学会は、12 月中旬、著者および
ノバルティス社の関係者から事情聴取を行い、問題点を指摘した。これにより、12 月下旬、著者
らは、Circulation Journal 誌に掲載された2 本のサブ解析論文の取り下げを申請した。他のサブ解
析3 論文に関しても取り下げの準備中であるとの説明があり、本学会は当該大学学長に事実を報
告するとともに、主論文のデータについて検証を依頼した。なお、サブ解析の2 論文は12 月28
日に、European Heart Journal に掲載された本論文は平成25 年2 月1 日に撤回された。
平成25 年2 月上旬に当該大学より、サブ解析論文に掲載された異常値は「故意の捏造」とは認
められないとの回答を受けた。これに対し本学会は、調査委員会の立ち上げとオリジナルデータ
の検証が必要ではないかと指摘した。また3 月上旬には、本研究代表者の利益相反に関して当該
大学に問い合わせを行い、3 月中旬にこの件に関する報告を受けた。さらに4 月中旬に2 日間に
わたり、本研究のデータ管理とイベント判定の実態について、学外の本研究イベント判定委員お
よび当該大学関係者から状況の報告を受けた。その結果、データ管理体制の不備が疑われたため、
当該大学とノバルティス社に対して、改めて詳細な調査の必要性を指摘した。
今回の京都府立医科大学による報告書は、データの恣意的操作が行われたのではないかという
嫌疑を払拭するものではなく、当該大学とノバルティス社には、さらに実態の調査と再発の防止
に努められるよう要望する。また、ノバルティス社の元社員の関わった複数の臨床研究について、
該当する大学はカルテ調査を行い、データ操作の有無を含めた実態の調査を行われるよう強く要
望する。
以上

0 件のコメント:

コメントを投稿